みなさん,こんにちは。
シンノユウキ(shinno1993)です。
最近はコードを全く書かない/少ししか書かないノーコード・ローコード開発が注目されています。プログラミングを本業としない私としては,この類のものには少しでも触れておきたいところ。
そこで,スマホアプリをノーコードで開発できるGlideを活用して書評アプリを作成する方法を紹介したいと思います。Glideの他,書評に必要な書誌情報のデータベース:OpenBDと,Glideを便利に使うためのGoogleAppsScriptについても触れていきます。
作成するアプリのイメージとしては,以下のようなものになります:
アプリの作成方法については,何回かに分けて紹介していきます。初回の今回は,書誌情報データベースのOpenBDの概要と提供されているAPIの使い方について紹介します。
OpenBDとは?
書誌情報・書影のデータベース
書籍には,書名や著者名,出版社名などの普段よく目にする情報の他に,ISBNや発行年月日など実に様々な情報が含まれます。そういった情報を書誌情報といいます。書誌情報は,たとえば書名が似ている書籍同士を判別する際にも使うことができます。
そういった書誌情報を収載しているデータベースがOpenBDです。2016年時点で,2,500を超える出版社の78万冊以上の書誌情報が収載されています。
このOpenBDは,書籍の様々な情報の掲載されている版元ドットコムの情報が主になっています。そのため,書誌情報だけでなく,書影(本のカバーイラスト)や書評,試し読みなどの情報も取得することができます。特に書影は取得に苦労する情報なので,これが利用できるのは非常に嬉しいところです。
高速なWeb APIを提供
このOpenBDの最大の特徴は,収載されているデータがWeb APIによって簡単に取得できるところです。
APIというのは「Application Programming Interface」の略称です。APIの用意されているサービスでは,外部からでもサービスにアクセスすることができるため,データを簡便に利用することができます。なお,APIの通信インターフェイスがHTTP通信によるものをWeb APIと呼びます。
OpenBDでは,このWeb APIが用意されています。APIが用意されていないDBだと情報を取得するのが非常に面倒ですが,APIが用意されているDBだとアプリケーション側からリクエストするだけで整った形式のデータを取得することができます。データを活用することを考えると,APIが用意されているメリットは非常に大きいと言えるでしょう。
また,非常に高速なのも特徴です。書誌情報を取得できるAPIは多くありますが,下記に示すようにOpenBDは他のAPIと比べても目に見えて高速です:
引用)書籍検索APIは結局どれが一番いいのか
OpenBD APIの使い方
OpenBDで用意されているAPIの使い方を紹介します。
APIは,https://api.openbd.jp/v1/get?isbn={ISBN}
のURLにリクエストを送ることで利用できます。結果はJSON形式で返ってきます。さっそく使ってみましょう。今回は女子栄養大学出版部から出版されている『佐々木敏の栄養データはこう読む』を検索してみます。ISBNは「978-4-7895-5442-8」ですので,URLは以下のようになります:
https://api.openbd.jp/v1/get?isbn=978-4-7895-5442-8&pretty
URLの末尾に&prettyがついていますが,これは返ってくるデータをユーザーでも見やすいように改行等を加えているだけですので,本番では除いてください。では,これをブラウザのアドレス欄に入力してみましょう。以下のようなデータが表示されるはずです:
たくさんの情報がありますが,書籍のタイトルや著者名などの書誌情報が取得できていることが確認できるかと思います。
これで,OpenBDからAPIを使って書誌情報を取得することができました!
まとめ
今回は書誌情報DBであるOpenBDの概要とAPIの使い方について紹介しました。
豊富な書誌情報が簡単な操作によって取得できることがわかったかと思います。
次回は,GoogleAppsScriptを利用してプログラムからこのAPIを叩いてみたいと思います。