みなさん,こんにちは。
シンノユウキ(shinno1993)です。
食品標準成分表と食事摂取基準。どのような種類の職場で働くにしても必要となる,管理栄養士のバイブルとも言える資料です
食事摂取基準は5年に1度の改訂のため,資料の買い替え・更新も5年に1度でOKです。食品成分表についても,基本は5年に1度の改訂なのですが,2016年以降は「追補」という存在のためにその判断はやや難しくなってしまいました。
以下では,毎年発売される食品成分表について,
- 何が変わるのか?
- 結局毎年買い換えるべきなのか?
について私見を述べていきたいと思います。
食品成分表は毎年買い換えるべきか?の結論
まず結論から書くと,下記のようになります:
- 基本的には毎年買い換える
- ただし,追補・データ更新のみへの対応の場合は,用途・コストと相談
- その場合でも,5年に1度の大改訂では買い替えが必須
なぜ毎年買い換えるべきか?
食品成分表は大きく2つのタイミングで中身が変わります。すなわち,
- 5年に1度の大改訂(日本食品標準成分表2010→日本食品標準成分表2015年版(七訂)など)
- 追補やデータ更新(追補2016年,データ更新2019年など)
前者の「日本食品標準成分表2010」→「日本食品標準成分表2015年版(七訂)」は5年に1度の大改訂です。後者の追補やデータ更新への対応は前者と比べると小規模な改訂となります。
前者のような5年に1度の大改訂では対応は必須です。大きく変わりますので,対応が必須です。収載食品や栄養素項目の増加,新しい方法による再分析などが行われます。あの「ひじき」の成分値が激減した件については記憶に新しいのではないでしょうか。
とはいえ,追補やデータ更新にも対応したいところではあります。重要な変更がなされる場合もあるからです。たとえば追補2018年では,食物繊維について新たな分析法による値が収載されました。これにより,例えば「01088 こめ 水稲めし」では食物繊維総量が0.3g→1.5gに増加しています。他にも,食物繊維が多くなった食品が多数あります。これに対応するかしないかで,栄養計算上の食物繊維の値の意味も変わってくると言えます。
したがって,特別な事情がない場合は,基本的には毎年買い替えていきたいところです。
毎年は買い換えない場合の選択肢
食品成分表は基本的には毎年買い替えたいところです。
ただし,用途が限定的(自身の栄養計算にしか使わないなど)であれば,コストとの兼ね合いもあるでしょうし毎年の買い替えは必須ではないかもしれません。しかし,5年に1度の大改訂の場合はどのような用途でも買い替えた方が良いでしょう。
では,その5年に1度の大改訂を反映させるためにはどのタイミングで買い換えれば良いでしょうか?
食品成分表はこれまで5年に1度改訂されてきました。最近では下記のタイミングで成分表が改訂・公開されています:
- 2015年12月:日本食品標準成分表2015年版(七訂)
- 2010年11月:日本食品標準成分表2010
今年2020年も成分表改訂のタイミングです。これまでと同様に年末に公表されるのではないかと予想されます。そのため,これが反映された成分表の発売も多くの場合は翌年にずれ込むと考えられます。
現在も書店には「食品成分表2020」と書かれたものが並べられていますが,これは2020年の改訂を反映したものではありません(2020年発売という意味?)。したがって,2020年の改訂が反映された成分表を入手するためには,年末に発売される(であろう)全国官報販売協同組合から出版されたものを買うか,その翌年に各社から発売されたものを買うかになると思います。
毎年は買い換えないという方でも,5年に1度のタイミングでは買い替え必須です。そしてその買い替えは,2020年末か2021年に発売される成分表と予想されます。普段は購入しないという方でも,このタイミングでは買い換えるようにしましょう。
まとめ
今回は食品成分表を「毎年買い換えるべきか?」について,掲載されている成分表に絞った視点から私見を書いてみました。
今年に公表予定の「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」(仮称)。これまで公表されてきた追補やデータ更新への対応に加え,エネルギー換算係数の変更なども予定されています。どのような内容になるのか今から楽しみですね。