みなさん,こんにちは。
シンノユウキ(shinno1993)です。
世間では健康や栄養に関する情報が溢れています。それらは,信頼できる質の高い情報もあれば,そうでないものもある「玉石混交」の状態です。玉と石を見極めるためには,それぞれの個人が「健康栄養リテラシー」を身につける必要があります。それを「最速」で身につけるためには,ある2つの書籍を読むことをオススメします。
氾濫する栄養情報
世間には,栄養に関する情報が溢れています。私たちの生活をより質の高いものにしてくれる情報もあれば,それとは真逆の情報もあります。栄養情報の質は様々で,まさに玉石混交の状態。質の高い情報もあれば,低い情報もあります。しっかりと科学的な根拠をもとに解説しているサイトもあれば,個人の体験談をあたかも万人に効くように解説しているサイトもあります。
少し前だと,いわゆる「WELQ問題」もありました(R)。非専門家が執筆したであろう質の低い医療記事が,Google検索などで上位に表示され,藁にもすがる思いで情報を探している方も含む,多くの方の目に触れることになりました。
※WELQ問題を含むインターネット上の医療情報については以下の書籍が詳しいです:
この問題は広く知られることになったため,以前と比べると,まだマシになった感もありますが,この類のサイトはまだまだ多く存在しています(本ブログがそれに分類されないという保証もありません)。
「健康栄養リテラシー」が必要な時代
それらの情報を見極めるためには「健康栄養リテラシー」が必要となります。健康栄養リテラシーという言葉は,東京大学大学院の佐々木敏教授がよく用いられる言葉で(R),いわゆる「健康リテラシー」のうち,栄養面をより強調した言葉だと考えて良いでしょう。
最近は,ブログ記事レベルでも「医師監修」とか「管理栄養士が検証」をうたったものが増えてきました(この類の文句は,実は本ブログでもしばしば使ってます)。一見すると,そのことが情報の正しさを担保しているようにも見えますが,だからといって必ず正しいとも限りません。情報の発信者が専門職であっても,それが情報の正しさを担保するものとはならないのです。具体例をあげるとわかりやすいでしょうか,医師の中には,(意図的にしろ,そうでないにしろ)ガンを治療せずに放置することを勧める人がいます(R)。医師だからといって,その言説を信じて良いとは言えないことがおわかりいただけるかと思います。質の低い,ややもすれば命に関わるような情報は,世間に溢れています。それらを見極め適切に活用するために健康栄養リテラシーが必要なのです。
その他,健康栄養リテラシーが必要となる例として,具体的に「機能性表示食品」という制度をとりあげてみます。これは,従来より制度化されていた「特定保健用食品」とは根本的に異なるもので,その大きな理由は「機能性の表示が企業側の責任で行われる」ことです。機能性表示食品には何らかの機能性が示されていますが,その表示は国による審査を経ておらず,国は企業側から提出された書類に不備がないかと確かめるのみです。つまり,機能性表示食品を正しく活用するためには,企業側から提示される情報を正しく読み取り活用できなければなりません。もちろん,特定保健用食品を活用する際でも同様のことは言えますが,そのことをより強調せざるをえなくなりました。自らの身は自らで守らなければならない。現代は特にそのような時代なのです。
上記で,健康栄養リテラシーを身につける重要性を実感していただけたかと思います。では,実際に健康栄養リテラシーを身につけるためには,どうすれば良いのでしょうか。
最速で「健康栄養リテラシー」ために2つの書籍を読む
最速で「健康栄養リテラシー」を身につけるためには,次の2つの書籍を読むことをオススメします:
この2つの書籍を読む。
これが,最速で「健康栄養リテラシー」を身につけるための方法です。
上記の2冊は,様々なトピックについて,文献を引用しながら解説していきます。それぞれ最初のトピックが特徴的で,『佐々木敏の栄養データはこう読む!』では「コレストロール」について,『佐々木敏のデータ栄養学のすすめ』では「野菜350g」について書かれています。コレストロールについては,食事のコレストロールだけでなく飽和脂肪酸にも気をつける必要があることが書かれています。野菜350gは広く信じられていますが,「なぜ野菜350gが提唱されるのか」,「なぜ350gなのか」といったところまで踏み込んで書かれています。この解説を読んでいくうちに,栄養についての正しい知識が得られるのと同時に,「こんな着眼点があるのか」と注意すべきポイントについても知ることができます。
もちろん,これらの書籍を盲目的に信じろ,といっているわけではありません。しかし,栄養情報を正しく活用するためには,その栄養情報の捉え方や考え方も含めて,ある程度は正解となる考え方を頭の中に形成しなくてはなりません。間違い探しは,正解となるものがあって初めて成立します。正解を知らないまま,照らし合わせたところで上手くはいきません。そういった考えを形成する手助けをしてくれるのが上記の2冊です。
本書は非専門家の方にとっては少し難しく感じるかもしれません。特に疫学や栄養学に関する基礎的な知識のない方にとっては,なおさらかと思います。しかし,それでも頑張って読み進めるだけの価値はあると断言できます。文章も平易で,専門用語の解説を散りばめるなど,非専門家でも読みやすいように配慮されているからです。その意味では,専門家の方にオススメできるのはもちろんですが,非専門家の方でも読み解ける内容となっていると思います。
まとめ
今回は,最速で健康栄養リテラシーを身につけるための方法について解説しました。現代は,様々な場面で健康栄養リテラシーが必要になる時代です。上記で紹介した2冊の書籍を,ぜひ読まれることをオススメします。